2つのアプリで、確認・集計の時間を「判断に集中する時間」へ
有限会社丸幸水産
- 業種
- 水産物切身加工、給食物資全般の卸売業
90年以上にわたり水産物を産業給食や学校給食に提供してきた有限会社丸幸水産。近年では、都内産の新鮮な野菜の仕入れ・提供にも力をいれています。
安心・安全な食材を安定して届けるために、生産者との出荷調整、従業員の体調確認、日々の記録管理など、現場で発生する細かな報告・確認・集計を丁寧に積み重ねてきました。
SaidaiのAI伴走支援にご相談いただいたのは、こうした繰り返し発生する現場の業務を、実際の運用に合わせて効率化できないかということ。毎月のセッションで担当者自身が業務を整理しながら、現場で使えるアプリとして形にしていきました。
今回は、約3か月で取り組んだ2つのアプリについて、出荷者の回答をリアルタイムに集約し、品目ごとの過不足をひと目で把握できる出荷管理アプリを作成した営業部のSさんと、毎日の健康チェックをペーパーレス化し、現場に行かなくても入力・確認できる健康チェックアプリを作成した経営管理部のMさんにお話を伺いました。
プロジェクト概要
- 企業名
- 有限会社丸幸水産
- 会社概要
- 業種:水産物切身加工、給食物資全般の卸売業
- ご支援内容
- 現場で発生する確認・報告・集計業務を効率化する、2つの業務アプリの設計・開発伴走
- ご支援期間
- 3か月(月1回・各3時間のセッション)
- ご支援前の状況
個別連絡や紙の運用を前提とした確認・報告・集計業務が残っており、回答・記録、確認・集計に負荷と時間がかかっていた。
- プロジェクトのサマリ
- 約3か月で、出荷管理アプリと健康チェックアプリを構築
- 出荷管理アプリでは、出荷者の回答をリアルタイムに集約し、品目ごとの過不足を可視化
- 健康チェックアプリでは、スマホ入力と一覧確認により、報告・入力確認の負荷を軽減
安心・安全な食材提供の裏側にあった、細かな確認業務の負担
Q. まず、今回の取り組みの背景を教えてください。
Sさん 学校給食向けの食材を安定して届けるためには、受注情報をもとに、どの品目を誰がどれだけ手配できるかを早めに確認する必要があります。都産農産物については、基幹システムから受注データを出力し、調整用データに加工したうえで、前月の予定表を参考に出荷者さんへ品目・数量・価格を仮依頼していました。回答を受けて本決定し、最終的にはメール、FAX、LINEなどで正式依頼を送る流れです。
Q. 従来の方法では、どのあたりに負荷がありましたか。
Sさん 出荷者さんごとに連絡方法が違い、電話やFAX、LINE、メールなどで受けた回答をこちらで転記・集計する必要がありました。追加や変更が入ると転記ミスが起きやすく、出荷可能量や価格を見ながら、すべての品目が整うまで繰り返し生産者とやり取りをし、足りない品目や余っている品目を判断するまでに時間がかかっていました。各出荷者からの回答がそろうまで品目ごとの過不足を把握しづらく、追加の打診や最終調整に進みにくい点も負担でした。
Q. Mさんの担当された健康チェック業務では、どのような課題がありましたか。
Mさん 従業員の健康チェックは、社内に置いてある台帳に体温やその日の健康状態を記入する運用でした。発熱や下痢がないか、手に傷がないかといった、食品を扱ううえで必要な確認項目もあります。ただ、現場に行かないと入力できないため、外出時や出勤導線によっては記入しづらいことがありました。入力漏れも、担当者が台帳を目視で確認する必要があり、日々の確認に手間がかかっていました。
Saidaiに相談した決め手は、現場の業務に合わせて一緒に形にできること
Q. アプリ化を考えた最初のきっかけは何でしたか。
Sさん 毎週繰り返している出荷調整を、回答する出荷者さんにも使いやすい形にできないかと考えたことがきっかけです。出荷者さんが畑やハウスからスマホを使って回答しやすくなれば、回答が集まりやすくなり、確認・集計にかかる手間も減らせる。そうした状態をつくるために、受注情報、出荷者さんの回答、品目ごとの過不足が一つながりで見える仕組みを目指しました。
Q. 健康チェックアプリについては、どのような期待がありましたか。
Mさん 毎日続けるものなので、入力する人にとって負担が少なく、確認する側が状況をすぐ把握できることを期待していました。紙をなくすだけではなく、未入力の確認や記録の出力まで含めて、日々の運用が回りやすくなるといいなと思っていました。
Q. Saidaiに相談するうえで重視していた点、決め手は何でしたか。
Sさん こちらの業務上の悩みを聞いてもらいながら、どの入力項目が必要か、誰が見る画面なのか、どのタイミングで通知や集計が必要かを一緒に整理できることです。完成したアプリを渡されるというより、自分たちの業務に合わせて一緒に形にしていける点が大きかったです。
出荷者の回答をリアルタイムに集約し、品目ごとの過不足をひと目で把握
まず伺ったのは、Sさんが取り組んだ出荷管理アプリについてです。
出荷管理アプリで見直したのは、受注データの準備から、出荷者への仮依頼、回答回収、集約、過不足確認までの一連の流れです。アプリ化後は、出荷者がPC・スマホから出荷可能量や希望金額を回答でき、管理者側では回答状況と品目ごとの過不足をリアルタイムに確認できるようになりました。
Q. 作るうえで、特に難しかった点や相談できてよかった点は何ですか。
Sさん 画面のイメージを作るところまではできても、実際に運用するとなると、出荷者さんごとのログイン、誰がどの情報を見られるか、回答データをどこにためてどう集計するか、といった部分で迷いました。Saidaiさんから、ユーザー認証やデータベースの考え方、出荷者さんには自分の回答だけを見せる権限設計など、運用に必要な要素を一つずつ教えてもらえたのが助かりました。モックで終わらず、実際に使う前提で考えられたのが大きかったです。
Q. 導入後、業務はどう変わりましたか。
Sさん 出荷者さんの回答がリアルタイムで集まるので、こちらで集計しなくても、足りない品目や余っている品目がすぐに見えるようになりました。未回答の方への確認や、追加で打診すべき相手の判断もしやすくなったと思います。本当に時間を使いたいのは、最後の過不足をどう調整するかなので、そこに集中しやすくなりました。
体調チェックをスマホ入力に変え、現場に行かなくても報告・確認できる運用へ
ありがとうございます。それではMさん、健康チェックアプリについても伺います。
健康チェックアプリは、紙の台帳で行っていた毎日の体調確認を、スマホから入力・確認できるようにするためのアプリです。食品を扱う現場として必要な体温や健康状態の記録を、従業員が現場に行かなくても報告でき、管理者も未入力や記録を一覧で確認できる運用を目指しました。
Q. 健康チェックアプリで、特に使いやすくしたかった点は何ですか。
Mさん 入力する人が迷わず毎日使えることと、確認する側が漏れをすぐ見つけられることです。これまでは台帳がある場所まで行って書く必要がありましたが、スマホから入力できれば、従業員側の負担も減ります。管理側も、紙をめくって目視で確認するのではなく、一覧で状況を見られるようにしたいと考えていました。
Q. 出荷管理アプリとは違うテーマですが、共通している価値はありますか。
Mさん どちらも、繰り返し発生する業務を、回答・記録する人と確認する人の双方が使いやすい形に落とし込めた点が共通していると思います。出荷調整では品目ごとの過不足を見て追加打診に進みやすくなり、健康チェックでは未入力や記録をすぐ確認できるようになりました。単に確認作業を減らすだけでなく、次の対応に移りやすくすることが大事でした。
「自分たちで使える仕組みを作れた」ことで、判断と改善に時間を使える業務へ
2つのアプリは対象業務こそ異なりますが、共通しているのは、現場でくり返し発生する確認・報告・集計を、実際の運用に合わせて見直したことです。人が手で集め、転記し、目視で確認していた業務を、必要な情報が自然に集まり、担当者が判断や改善に時間を使える業務へ変える取り組みでした。
Q. 2つのアプリを作ってみて、AI伴走支援のどのような点がよかったですか。
Sさん 作っている途中でうまく動かないことや、どう直せばよいかわからない場面もありました。そのときに、「まずここを確認しましょう」「この方法で切り分けてみましょう」と具体的に進め方を示してもらえたので、そこで止まらずに進められました。自分たちだけでは詰まっていた部分も、次に何をすればよいかがわかることで、少しずつ形にしていけたのがよかったです。
Q. Mさんはいかがですか。
Mさん アプリを作ること自体よりも、日々の運用に合わせて、入力しやすさや確認しやすさを相談できたのがよかったです。紙の台帳で記入していたものを、無理なくアプリに置き換えるイメージが持てました。
Q. 最後に、これから同じように現場業務のアプリ化に取り組む方へ、伝えたいことはありますか。
Sさん やってみるまで、ここまで自分たちで形にできるとは思っていませんでした。実際に使える仕組みを作れたことが驚きです。まずは身近な業務から整理してみることが大事だと思います。
まとめ
今回の取り組みでは、出荷管理アプリと健康チェックアプリという2つのテーマを通じて、現場で繰り返される確認・報告・集計業務を見直しました。人が手で集め、転記し、確認していた情報をアプリ上に集約することで、回答・記録する人にとっても、確認・集計する人にとっても使いやすい運用へ。SaidaiのAI伴走支援では、現場の業務を題材にしながら、実際に使える仕組みを一つずつ形にしていきます。
現場の課題に合う進め方を、一緒に考えます。
「何から始めればいいかわからない」という段階からのご相談も歓迎です。貴社の状況を伺い、研修・開発・伴走のどこから始めるのが最適かをご提案します。